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血友病とともに生きる人のための委員会
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血友病ってなあに?  
  かんたんな説明
(1) どんな病気(びょうき)なの?
(2) 血友病だとどうなるの?
(3) どうすれば治るの?
(4) 出血した血液が止まるしくみ
(5) 関節内出血(かんせつないしゅっけつ)
(6) 筋肉内出血(きんにくないしゅっけつ)
(7) 口の中の出血(口腔内出血(こうくうないしゅっけつ))
(8) 頭の中の出血(頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ))
(9) 製剤はどれくらい注射すればいいの?
(10) その他に気をつけなければならないこと
(1) どんな病気(びょうき)なの?
 血友病は、血を固めるタンパク質(血液凝固因子(けつえきぎょうこいんし))が生まれつき少ないので、出血すると血が固まりにくい・止まらない病気です。
  血液凝固因子には番号がついていて、12種類あります。8番目の血液凝固因子である第VIII(はち)因子が少ない人を血友病A、9番目の第IX(きゅう)因子が少ないの人を血友病Bといいます。血友病Aの人の方がBの5倍くらいたくさんいます。
  日本には、だいたい男子10万人に約7−8人の血友病の人がいます。
  血友病ではない人の凝固因子の量を100とすると、1くらいしかない人を「重症(じゅうしょう)」の血友病患者(けつゆうびょうかんじゃ)といいます。5くらいまで凝固因子を持っている人を「中等症(ちゅうとうしょう)」、それ以上の凝固因子を持っている人を「軽症(けいしょう)」といっています。
  軽症の人は、大人になるまで自分が血友病であることに気づかないことがあります。
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(2) 血友病だとどうなるの?
 血友病の人は、足首、ひざ、ひじなどの関節(かんせつ)の中に出血(関節内出血(かんせつないしゅっけつ))が起きてしまいます。ふともも・ふくらはぎなどの筋肉(きんにく)の中にも出血(筋肉内出血)します。あたまを強くぶつけたときなどは、頭の中に出血(頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ))したりします。おなかを強くぶつけたときなどは、おしっこが血で赤くなったり赤黒く見えたりします(腎(じん)出血)。胃や腸での出血は、量が多いので、早く病院へ行かないとたいへんなことになります。
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(3) どうすれば治るの?
血液凝固因子が少ないのですから、血液凝固因子の入った製剤(せいざい)(くすり)を注射(ちゅうしゃ)することで、出血を止めることができます。けれども血友病が治(なお)るわけではありません。いまの血液凝固因子製剤は、注射も簡単で、きちんと早めに出血を止めるように注射すれば、大変なことにはなりません。
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(4) 出血した血液が止まるしくみ
 健康な人   血友病だと? 
血液が止まるしくみ
 人の体は、傷口(きずぐち)から出た血液を止めようとはたら働きます。まず血小板(けっしょうばん)というものが傷口をふさごうとしてあつまってきます。血小板がぎゅっと、あつまって傷口から血がでてこなくなります。けれども傷口をふさぐ力は、血小板だけでは足りないので、集まっている血小板を「のり」のようなもので強くくっつける必要があります。この「のり」を作るために、血液凝固因子がチームプレイのようにうまく働いていきます。この「のり」ができると、血小板はさらに強く固められて、傷口をしっかりふさいでしまいます。やがて時間がたつと、傷口がだんだんと元の皮膚(ひふ)や血管のように戻っていくのです。
  血友病の人は、血液凝固因子が少ないので、この「のり」をうまく作ることができません。だからせっかく血小板でふさがった傷口も、また何かの拍子で崩れて、そしてまた血が出てくるのです。血友病という病気は、血の止まる仕組みがうまく働かない病気のことをいうのです。
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(5) 関節内出血(かんせつないしゅっけつ)
 人の体には、ひざやひじ、足首、足のつけ根(ね)(腰(こし))など、たくさんの関節があります。関節は、骨と骨の端っこが関節包(かんせつほう)とよばれる袋(ふくろ)によって包(つつ)まれています。そして、その袋の中には関節液(かんせつえき)が入っていて、骨のはし端っこには関節をすべるように動かせるように、軟骨(なんこつ)や滑膜(かつまく)がくっついています。
  関節内出血は、関節包の中で出血が起きることをいいます。血友病の人は、うまく血を止められないので関節包の中に、どんどん血がたまっていきます。関節内出血があると、いつもと違う感じがして、動かしにくくなります。そして出血の量が多くなると、腫(は)れて熱(ねつ)っぽくなり痛(いた)くなってきます。
  ですから少し関節がおかしいなぁと感じたら、早く注射をして出血を止めることが大事です。注射するのがおくれると、痛みや腫れが長くつづいたり、出血をくりかえしたりして、治(なお)りが遅くなります。
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(6) 筋肉内出血(きんにくないしゅっけつ)
 筋肉内への出血は、ちょうどスポンジが水を吸い込むようなもので、関節内出血と違って出血の量(りょう)が多くなります。パンパンに腫れて熱っぽかったり、痛みがあったりするのは関節内出血と同じです。
  出血で腫れた場所は、皮膚(ひふ)のしわが見えなくなったり、少しテカテカ光って見えたりします。関節内出血と同じように早く注射すれば早く治りますが、注射するのが遅れると痛み(ごろごろ、こりこりしたもの、しこり)が残ったり、うまく体を動かせなくなったり(麻痺(まひ)やしびれが残ったり)します。
  とくに気をつけなければならないのが、腰(こし)・脇腹(わきばら)のあたりの筋肉内出血です。これを腸腰筋(ちょうようきん)出血といいます。ちょうど体の真ん中あたりで、足と体の上の方を支える腰の筋肉なので、この場所に出血が起きると全く動けなくなって、寝たままのようになってしまいます。入院しないといけなくなるかもしれません。
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(7) 口の中の出血(口腔内出血(こうくうないしゅっけつ))
  歯医者(はいしゃ)さんで歯をぬ抜いたり、舌(した:ベロ)やほっぺたのうら裏の肉をかんだり、乳歯(にゅうし:子どものころの歯)が抜けるときなど、口の中に出血を起こします。口の中は、いつも唾液(だえき:ツバ)でぬれているところ、またごはんを食べたりして、いつも動いているところなので、なかなか出血を止めることができません。歯を抜くことがあれば、抜く前に製剤を注射することはもちろんですが、抜いたあとをきちんと縫(ぬ)ってもらうなどして下さい。口腔内出血のときに、製剤を注射することはたいせつですが、脱脂綿に止血のための薬をしみこませたものなどを、しばらく傷の上において、歯でかんで、ぎゅっと押さえることで、止血させることができます。
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(8) 頭の中の出血(頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ))
 風邪(かぜ)をひいていない(熱がない)のに、頭が痛いとか、吐き気(はきけ)がしたら、頭の中での出血が考えられます。こんなときは、すぐに注射をして下さい。お医者さんに診てもらうのは、そのあとでも大丈夫です。
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(9) 製剤はどれくらい注射すればいいの?
 体重、出血の場所、どれくらい痛い・腫れているかによって、注射する製剤の量が変わってきます。製剤を注射すると体の中で凝固因子の量が増えますが、どれくらい増えるのか知っておかなければなりません。また注射したあと大体1日くらいで、増えた凝固因子も半分くらいに少なくなってしまいます。ですから痛みや腫れがひどいときには、朝注射したら、夕方にもう一回注射、もっとひどいときには、次の日も同じように朝と夕方と2回ずつ注射しなければいけません。  どれくらい注射しなければいけないかは、お医者さんと相談しながら決めて下さい。
血友病A
  体重40kgの重症血友病Bの人が、ふつうの人の半分くらいまで凝固因子の量を上げたいと考えたら、
  注射しなければならない量=50(%)×40(kg)÷2=1000(単位)
血友病B
  体重40kgの重症血友病Bの人が、ふつうの人の半分くらいまで凝固因子の量を上げたいと考えたら、
  注射しなければならない量=50(%)×40(kg)=2000(単位)
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(10) その他に気をつけなければならないこと
a. 四肢障害(しししょうがい)
   体は、関節の中に出血した血液を、こまかく砕(くだ)いて、掃除(そうじ)しようという働きをします。そのときに骨の端っこにある軟骨(なんこつ)とか滑膜(かつまく)までも壊してしまいます。これは出血した量が多ければ多いほど、壊され方がひどくなります。関節内出血を繰り返すと、どんどん壊されていって、しまいには骨まで壊されてしまいます。こうなってしまうと、関節の形が変わってしまって、関節を動かすと痛かったり、曲げたり伸ばしたりすることができなくなったりします。うまく歩けなかったり、立てなくなったりします。 これを血友病性関節症(けつゆうびょうせいかんせつしょう)といいます。また筋肉内出血を長い間そのままにして悪くさせてしまうと、筋肉がちぢんで伸びなくなってしまいます。
  このように関節内出血や筋肉内出血によって、体をうまく動かせなくなってしまう(障害が残ってしまう)ことを四肢障害といいます。この四肢障害を残さないようするために、できるだけ早く製剤を注射することが大切です。痛みや腫れがひどくなってから注射するのは、治りが悪いばかりでなく、四肢障害を起こすことになります。
b. インヒビター
   人の体は、病気を引き起こすバイキン(細菌(さいきん)・ウイルス)や、体に悪さするもの・自分の体に合わないものから体を守ろうとする働きがあります。体の中に悪い物が入ると、その悪いものを攻撃(こうげき)していきます。この攻撃する武器(ぶき)のことを、インヒビターといいます。
 血友病患者の中には、注射した血液凝固因子(第VIII因子や第IX因子)が体に合わない人がいて、インヒビターが血液凝固因子を攻撃してしまう人がいます。このような人は、注射した血液凝固因子の効き目がなくなってしまって、うまく出血を止めることができません。このような血友病患者のことを、インヒビター保有(ほゆう)患者(かんたんに、インヒビター)といいます。
  このようなインヒビター保有患者の人には、別の血液凝固因子製剤を注射する必要があります。たくさんの種類の凝固因子が入った製剤や、血小板をくっつける「のり」を作る時の最終段階(さいしゅうだんかい)で働く第VII(なな)因子製剤を注射して、出血を止めることができます。体が「のり」を作るとき、第VII(なな)因子が第VIII因子や第IX因子の働く段階を通り越して、先回りして働くので、この治療を「バイパス療法(りょうほう)」といいます。
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